2026年9月14日
「儲かる工事」と「忙しいだけの工事」の見分け方
「忙しいのにお金が残らない」の正体
現場が詰まっていて、毎日汗をかいているのに、通帳を見ると思ったよりお金が増えていない。そんな感覚を持ったことはありませんか。
これは、社長の頑張りが足りないのではなく、「忙しい工事」と「儲かる工事」が同じではないからかもしれません。売上の大きい工事、単価の高い工事に目が向きがちですが、実は利益を運んできてくれているのは、もっと地味な工事だった、ということはよくあります。
単価が高い=儲かる、ではない理由
単価が大きい工事は、材料費も外注費も職人さんの拘束時間も大きくなります。売上が100万円の工事でも、材料と外注に80万円かかれば、手元に残る粗利(売上から原価を引いたお金)は20万円です。
一方で、売上30万円の小さな修繕工事でも、材料代が少なく、社長や職人さんの技術と時間で仕上げられるものなら、粗利は20万円近く残ることもあります。
つまり見るべきは「売上の大きさ」ではなく、「売上に対して、どれくらい手元に残るか」という割合、粗利率です。これが分からないまま単価の大きい仕事ばかり追いかけると、体は疲れているのにお金は増えない、という状態になりやすいのです。
工事の種類ごとに粗利率をざっくり出してみる
難しい計算は不要です。今週、次の手順で15分だけ時間を取ってみてください。
ステップ1:過去の工事を種類分けする
直近3〜6ヶ月の工事を、「リフォーム全般」「外壁・屋根」「水回り」「修繕・小工事」など、ご自身の会社でよく出てくる分類にざっくり分けます。細かく分類しすぎなくて大丈夫です。
ステップ2:種類ごとに売上と原価を足す
工事ごとの請求書と、材料費・外注費の支払いを見て、種類ごとに「売上の合計」と「原価の合計」を足します。人件費まで正確に出す必要はありません。まずは材料費・外注費だけで十分です。
ステップ3:粗利率を計算する
「(売上−原価)÷売上」で、種類ごとの粗利率が出ます。この数字を並べて見比べると、どの種類の工事が実は自社の稼ぎ頭なのか、見えてきます。
数字が出たら、次にやること
粗利率の低い工事がすべて悪いわけではありません。地域での信頼づくりや、次の仕事につながる入口になっている工事もあります。ただ、「忙しさの割にお金が残らない」種類がはっきりしたなら、その工事の見積単価を見直す、材料の仕入れ先を変える、受注する量を調整するなど、打てる手が具体的になります。
逆に粗利率が高い種類が分かれば、そこをチラシや口コミで少し前に出してみる、という営業の判断もしやすくなります。数字が、社長の勘を裏付けてくれるイメージです。
一人で悩まなくて大丈夫です
工事種類ごとの粗利率は、あくまで「頑張る方向を決めるための目安」です。より正確な原価計算や、税金・経費の扱いについては、税理士に数字を見てもらいながら一緒に整理するのも良い方法です。制度や会計のルールは変わることがあるので、最新の内容は税理士や窓口で確認してください。
まとめ
- 単価の高さより、売上に対する粗利率(手元に残る割合)を見る
- 過去の工事を種類分けし、種類ごとの売上と原価を足すだけで粗利率が見える
- 粗利率が低い種類は見積・仕入れ・受注量の見直しを、高い種類は営業で前に出す
- 正確な原価計算や数字の整理は、税理士と一緒に進めても構いません
まずは今週、直近の工事を3〜4種類に分けて、電卓で割り算するところから始めてみてください。