2026年8月28日
「諸経費」って何のお金?胸を張って説明できるようになる
見積書を見せたお客様から、「この諸経費って何ですか」と聞かれて、うまく答えられなかったことはありませんか。答えに詰まると、お客様は「よく分からないけど高そうな項目」だと感じてしまいます。そして、よく分からないものは、値切られやすくなります。
「諸経費」は、工事を安全に、きちんと終わらせるために必ずかかる実費です。ここをご自身の言葉で説明できるようになると、削られにくくなります。
「諸経費」の中身、実は説明できますか
まずは、社長自身が「諸経費」に何が含まれているかを、整理しておくことから始めましょう。会社によって呼び方は違いますが、だいたい次のようなものです。
現場を動かすための実費
- 現場管理にかかる時間……段取り、他の業者さんとの調整、現場での確認や立ち会いです。工事そのものではありませんが、これがないと工事は進みません。
- 車両にかかる費用……現場までの移動、資材の運搬にかかるガソリン代や車両の維持費です。
- 保険料……工事中の万一の事故に備える保険です。お客様の家や近隣を守るためのものでもあります。
- 道具・消耗品……養生材、共通で使う工具、細かな金物など、工事ごとに実際に使うものです。
これらは「利益の上乗せ」ではなく、工事を形にするために本当にかかっているお金です。ここがあいまいなままだと、社長自身も自信を持って説明できません。
お客様への伝え方の言葉例
言葉にして初めて、お客様にも伝わります。難しく考えず、次のような言い方で十分です。
- 「諸経費は、現場の段取りや車両、保険、工具など、工事を安全に進めるための実費です。工事の中身そのものではありませんが、これがないと現場は動きません」
- 「万一のときにお客様のお宅を守る保険料も、この中に含まれています」
- 「この金額は、どの現場でも同じようにかかっているものなので、削ってしまうと安全や管理の質が下がってしまいます」
大切なのは、「削れないもの」と押し通すことではなく、「何のためのお金か」を先に伝えることです。理由が分かれば、お客様も納得しやすくなります。
見積書に「諸経費」とだけ書かない
言葉での説明とあわせて、見積書の書き方も少し工夫できます。「諸経費 一式」だけだと、中身が見えません。可能な範囲で、「現場管理費」「車両費」「保険料」のように分けて書くだけでも、お客様の受け取り方は変わります。
内訳を細かく出しすぎる必要はありません。お客様が「何にお金がかかっているか」をイメージできる程度で十分です。
そして、この諸経費をきちんと確保することは、社長の手元に残るお金を守ることにもつながります。ここを説明できずに毎回削られてしまうと、工事は忙しいのに手元のお金が増えない、という状態になりかねません。原価の考え方や利益の残し方について不安がある場合は、税理士など専門家に相談するのも一つの方法です。
まとめ
- 「諸経費」は、現場管理・車両・保険・道具などの実費であることを、まず社長自身が整理する
- お客様には「何のためのお金か」を先に伝えると、納得されやすい
- 見積書は「一式」でまとめすぎず、少し内訳を見せる
- 諸経費を守ることは、工事後に手元に残るお金を守ることでもあります
次にお客様に見積書を渡すときは、諸経費の欄を指しながら、ひとこと理由を添えてみてください。それだけで、印象は変わります。