2026年8月22日
固定費、今すぐ全部言えますか。15分でできる棚卸し
売上より先に、固定費を知る
「今月の売上目標はいくらか」は、すぐ答えられる社長さんが多いと思います。では「毎月、黙っていても出ていくお金」はどうでしょうか。家賃、車両のローンやリース、保険、電話・ネット代、道具やソフトのサブスク……。全部合わせるといくらか、即答できる方は意外と少ないものです。
売上が増えても、その分だけ出ていくお金(固定費)も増えていたら、手元のお金は一向に増えません。逆に、固定費を1つでも減らせれば、毎月必要な売上のハードルそのものが下がります。これは値引きせずに利益を残す、いちばん地味で確実な方法です。
まずは15分、紙に書き出すだけ
難しい会計ソフトは要りません。紙とペン、または通帳とカード明細があれば十分です。以下の項目を、思いつく順でいいので書き出してみてください。
書き出す項目の例
- 事務所や倉庫の家賃
- 車両のローン・リース料、車検・任意保険
- 現場保険、火災保険などの各種保険料
- 携帯・固定電話・インターネット
- 会計ソフト、図面ソフト、チャットツールなどのサブスク
- リース中の工具・コピー機・複合機
- 定期購読の業界誌、会費の類
書き出したら、それぞれに「毎月いくら」を横に書き添えます。年払いのものは12で割って、月額に直しておくと後で比べやすくなります。
書き出すと見えてくること
多くの社長さんが驚くのは、金額の大きさよりも「数の多さ」です。1つ1つは数千円でも、10個集まれば数万円になります。特にサブスクは、契約したことすら忘れているケースが少なくありません。使っていないツール、重複して契約している保険、乗っていない車のリースなどがあれば、それは見直し候補です。
ここで大事なのは、「今すぐ全部解約しよう」と急がないことです。中には、解約すると仕事に支障が出るものもあります。まずは「これは本当に必要か」を自分に問いかける材料として、リストを眺めることが目的です。
見直すときの視点
- 今使っているか、この半年で使った実績があるか
- 同じ役割のものを二重に契約していないか
- 契約年数の縛りや解約金がないか
- もっと台数や容量の小さいプランに変えられないか
保険やリースの見直しは、条件や解約のタイミングによって損得が変わることもあります。判断に迷うものは、無理に自分だけで決めずに、税理士など数字に詳しい人に「このリスト、一度見てもらえますか」と相談してみるのも一つの手です。
固定費が下がると、決断が速くなる
固定費の全体像がわかると、「毎月これだけ稼げば大丈夫」というラインが見えてきます。このラインがはっきりすると、見積もりの金額や、仕事を受けるかどうかの判断も速くなります。逆に固定費が見えていないと、なんとなく不安なまま、値引きしてでも仕事を取りにいってしまうこともあります。
固定費の棚卸しは、一度やれば終わりではありません。半年に1回くらい、同じように書き出してみると、増えているもの・減らせたものが見えてきます。まずは今週、15分だけ時間を取ってみてください。
まとめ
- 毎月出ていくお金(固定費)を、まず紙に全部書き出してみる
- 家賃・車両・保険・通信費・サブスクは特に見落としやすい項目
- 使っていないもの、重複しているものが見直し候補になる
- 解約や見直しの判断に迷ったら、税理士など専門家に相談してよい
- なお制度や契約条件は変わることがあるので、最新の内容は契約先や専門家に確認を
15分の棚卸しが、来月の値引きしない決断につながります。